HiTC PLANNING OFFICE
菊池仁志の自転車道場
菊池の考え
このページでは、お客様の質問について菊池仁志がより詳しく解説していきます。

Vol.1:自転車の種類におけるフィッティングポジションの違い

同じメーカーのモデルAとBを所有しているお客様より、それぞれをフィッティングした後、サドル、ハンドルの高さが違うことについてのご質問がありました。そのご質問に対する回答です。その他の自転車でも、同様のことが言えます。複数台フィッティングしてサドル・ハンドルの位置関係が違うのは、どうしてかな?と、疑問に思ったとき、2台目は1台目のポジションを移植すればいいかな??そんな風に思った時に、是非ご参照ください。
 
1.ジオメトリーの違いとその特性について
【モデルA】シート角度が立っていてヘッド角度が寝ている・トレイル値が大きくなっている
【モデルB】シート角が寝ていてヘッド角が立ち気味・トレイル値は標準


どちらのフレームも安定感を求めてのジオメトリーになりますが、【モデルA】は前乗り気味のポジション(勾配がきつい登りでのポジション)に対応できるものです。対して【モデルB】の方はあまり前乗りになりすぎるとトルクが抜けるポジションになり、勾配の変化に対しての重心移動を得意としないものです。 よってフィッティングポジションにも大きな違いが生まれます。
個人の股関節の屈曲角度は個人差があります。ただし、これはどんな自転車に乗っても大きく変わることはありません。
つまり、ジオメトリーの違う自転車で、最適な乗車ポジションを実現しようとすると、どうしても、サドル・ハンドルの位置は同じにはならないということです。これが一つの大きな捉え方(考え方)となります。
2.自転車の重心とサドル・ハンドル位置の関係

フィッティングで大切なことは、自転車の重心に乗るということです。
【モデルA】の自転車の重心に乗るためには前乗りのポジションになります。
【モデルB】はもともとのシート角度が寝ていることもあり見た目にサドルが【モデルA】より前側に移動していますが【モデルA】ほど前乗りに重心はありません。 前項でご説明した股関節の屈曲角度から考えると、【モデルA】のハンドルが【モデルB】より低めになり、【モデルB】は【モデルA】より高くなります。
3.自転車の性格(乗り味)とハンドルの関係

同じメーカーの自転車ですが性格は大きな違いがあります。また、サイズも違うので一概には言えないこともあります。
そして、フレームの硬さにも違いがあります。
【モデルA】はパリパリした感じで進んでいく、対して【モデルB】はどっしりとした感じで進みます。
【モデルA】は他メーカーのフレームと比べても柔らかいものではありません。 しかし、【モデルB】と比べると柔らかく感じるほど【モデルB】は硬く仕上がっています。どちらかと言うとトラック用のピストバイクのような感じです。そのようなフレームでハンドルを低く設定すると体幹が負けてハンドルに寄り掛ります。これも【モデルB】のハンドルが高めになる理由です。
4.結論

ジオメトリーに違いがあり、フレームの硬さにも違いがある。そのような自転車上で最大限身体を使いやすくフィッティングするとなるとハンドル、サドルの位置関係に違いが出てきます。共通するものとしては、同じシューズを使うという条件でクリート位置。クランクの長さ、ペダルが同じ条件で、BB(ボトムブラケット)中心から体重を掛けた時のサドルベース下までの距離があります。
サドルが変われば同じ品番のものでも体重を掛けた時のへこみ方に違いが出ます。
 
[工業製品でも個体差は必ずある]
かつてロードプロとして海外で活動をしていた長男は、チームから同じサイズの同じ品番の自転車を4台貸し与えられていました。サドルはプロ仕様でベースが厚いカーボンで作られていたにも関わらず、それぞれの自転車のポジションには違いありました。
また、自分が競輪選手時代にも使っていたクロモリオーダーフレーム(同じジオメトリー)も同じポジションのものは1台もありませんでした。
サドル、ハンドル、ステムにも同じ品番であっても同じものはありません。
最終的には乗車した状態で身体の動きを見ることが重要になります。

次のブログエントリもご参照ください。
ブログエントリ「フィッティング」2015.08.08(外部サイト)
ブログエントリ「トレイル値」  2016.07.05(外部サイト)


 

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